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犬の報告書 7/8

7月8日 黒い犬 稽古
赤星、笠井、岸本、坂口、澤田、サカイ、若旦那
(岸本筆 黄文字箇所のみ坂口加筆)


■赤星
・「リーディングに準じた上演にする」という案に同意しているが、「あたらしい取り組み」を再考したい。
・ログを見返してみて、「物語を見せたい(従来通りの演劇形態)」「新しいものをみせたい/どんなことがあっても中止にならない形態(舞台・上演の構造から考える)」というトピックがあったが、議論し尽くされている気がしない。
・決して新しくなくてよくて、できるかできないかわからない状態で進んでゆきたい。今、朗読、をしてみても、ピンと来ないと思う。無難に置きにいっている気がする。

→■坂口
・実験的な新しいことをやるのは、(7月31日、8月1日にむけて)時間的な問題として難しい。
・赤星さんの意見は「自分にどうしたらやる気を起こさせてくれるというのか」というふうに聞こえてしまう。発信のポジティブさがないように思う。

→■サカイ
・「既存の形態ではない、新しい形」は現時点で、他の誰かを説得できるアイデアがでていない。
・リーディングが主軸になっているが、装置美術の提案、WEB・SNSによって副次的な展開をもっている
・解決されていない議題は多々あるが、スタートしてみて見えてくることがある。もちろん立ち止まることも大事だと考えている。

→■笠井
・「新しい公演形態をさがすを」準備段階として、戯曲の提案する段階であると思っている。稽古をしながら新しい方を探していくというステップを踏んでいこうと思っている。
・「演出」というのは巨大な権力システムになりえる。言葉の使い方がすごい重要で、相手が自分思う方向に向いてもらう方法。(若い頃はそれを磨けと先人たちから言われた)しかし、はたしてその方法で作品を作ることで自分の周り、しいては世の中が良くなっていくのか、という問題がある。
・出演者も演出の一部を考えることがあるし、演出担当も演技のある部分を考えることがある。
・総合的に、相互的にアイデアがあったほうがいいと思っている。(だからこそ、異論・反論にできるだけ傾聴したい)そこに、黒い犬を継続させるアイデアがあると思う。メンバーが有機的な繋がりとなっているのが望ましい。
・赤星さんの疑問や意見を取り入れたいし、聞きたいと思っているが、現状、稽古をしないと「この戯曲に対して」の理解は深められない気がする。どんなアイデアが合っているのか・合っていないのか不明なので、それを検証したい。

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【公演に関する決定事項】

・料金 2,000円(当日/前売り 同一)
・台本販売 1,000円(データ販売・素敵なもの・デザイン部会で話す)
・寄付 アリの方向で進める(黒い犬のプロジェクトに対しての寄付として、制作班で話す)
・配信 ナシの方向で進める。(お客さんを入れた視点と、配信の視点、二つとも考えるのは難しいという意見)

・記録映像 する予定

・稽古スケジュール
8日[木] 10時〜16時 稽古
10日[土] 10時〜16時 稽古
12日[月] 10時〜16時 稽古/通し
15日[木] 10時〜16時 稽古(若旦那さんNG)

27日[火] 16時〜22時 稽古(赤星さん18時IN)
28日[水] 10時〜14時 稽古(赤星さん12時OUT)
29日[木] 10時〜22時 仕込み/稽古
30日[金] 10時〜22時 稽古/夜ゲネ
31日[土] 11時/14時30分/18時
8月1日[日] 11時/14時30分/バラシ

・情報公開スケジュール
7月8日 情報公開
7月15日[木]21時〜 チケット予約・販売開始

・チケットについて
カルテット・オンラインにてチケット販売
(ストアズはチケット管理が難しいので)

【受付の方法】
・対面なのか/注文の多い料理店方式なのか/要検討

・Twitter/ログ公開について
体温・体調、その日思ったことを書いていく。

・WEB稽古場日記
書きたい人が書く、ログが積み重なってきたらできたらあげていく方式で現状よい。


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【稽古場メモ】

■笠井
・快か不快を表現する、というのが感情である。
・戯曲を通じていろんな感情を伝える。
・感情のなかの「葛藤」というに注目してゆきたい。今作の中の「葛藤」がどこにあるか整理したい。
・「葛藤」=異なる価値観の対立。ジレンマ。

・感情にアクセスするために2つのアプローチがある。
[心理的アプローチ]自分を掘り下げていくことで、表現されるものをさぐる。内側から起こる、俳優の感情から立脚されるもの。
[機能的アプローチ]感情が表出している状態を観察して、真似する。その真似、トレースしたものを表出させる。
今回の「リーディングに準ずる公演」では[機能的アプローチ]を使ってゆきたいと思う。


・[機能的アプローチ]を使って、戯曲の登場人物がどういう状態であるか、を提示していく。
具体的には「観客にこの言葉たちをプレゼンテーションする」「俳優同士が会話しているのではなくて、観客席(舞台前方)にむかって音声を届けるようにする」「言葉の意味を捉え直す」

・「徹底的に語る」ということにフォーカスしていく。 

【言葉を語る際のヒント】


・言葉の意味を脱臼させる。ex)「銃声」と言う言葉を「じゅう」と「せい」にわけてみる。
・アクセント、リズム、イントネーション、に気を配ってみる
・戯曲に登場する人物が持っている「キャラクター性」を増幅させたり、あるいは消失させたりする
・それぞれの俳優が持っている声(声帯の構造・口腔の形)を改めて考える。
・音量に注意する。
・ウィスパーボイス(息を混ぜた声)

■坂口
リーディング用に笠井さんが戯曲をカットしてくれたが、個人的には一場の冒頭はカット前の戯曲の方が気に入っている。
物語の冒頭は、作家さん、くるみざわさんが特に力を入れて、情報をどうお客さんに伝えるのか、世界観の伝え方を試行錯誤している部分だと思う。「人間」という言葉の出るタイミング、「お茶」の味を犬には分からない、犬は人間を基準にしか考えられないという大事な情報の伝え方が素晴らしいと思う。
「お茶」をマスターが飲んでいるという印象が、現在のカットでは薄くなる気がする。

→■笠井
リーディングとして、そこはあえてテンポ良くズバッと物語を進めるためにカットした部分。
マスターが「お茶」を飲むというのは、カットした戯曲でも十分に印象付けらると思う。
前半で大事なこと伝え過ぎて、後半尻窄みになるともったいない。大事なことは、後半に伝えた方が効果的。
とりあえず、この脚本で稽古して、やはり、気になるということであればまた考えましょう。

【稽古を通して、課題としてあがった話】


若旦那演じる、「テン」と、それ以外のメンバーの犬の社会での立ち位置をどう伝えるか。
「テン」が大多数を占める強者側で、それ以外のメンバーがマイノリティ。社会的弱者であると思われる。
しかし、気をつけないとお客さんの視点が、演者の多いマイノリティ側をメジャーと捉えかねない。
この物語に描かれている世界観をどうすれば、上手く伝えることが出来るのか。
さらに「テン」が宗教家であることにより、韓国での教会でパンデミックが起こった事例をお客さんに想起させると、さらに「テン」の立ち位置に色眼鏡がかかってしまいかねない。

 

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