犬の報告書 7/12
2021年7月12日 黒い犬 稽古
参加/赤星、笠井、岸本、サカイ、坂口、澤田、若旦那
(岸本筆)
【稽古メモ】
美術をたてて、実稽古
・8本のLEDライトで「建物の一階・店」「二階・倉庫」「三階・宿の部屋」「沼地」などを構成。その中でどのように俳優が配置されるかを実験。
・台本(ディスプレイ)は体から離れていた方がいい。ページめくりは動作が見えないほうがいい(検討中)
・同じト書きを同時に読むときには、音程を分けて、音声の混乱がないようにする。(最大3人)
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【個人メモ(岸本)】
・物語を浮き立たせるため・世界観を浮き立たせるための重要な言葉が、稽古をするうちにだんだんとわかってきた。もちろん全部の文字・言葉は大事なのですがその中でもキーになるワードがあって、そこに重点を置いてみる。
・言葉の意味を際立たせる(意味を脱臼させる)、場所を音声で広げていくために、ノックをかける、ブレーキをかける、アクセルをふむ。
・意味を無視して音量を上げる(心理的アプローチをしそうになるワードに使う。強制的な機能的アプローチ)
・心理的なアプローチ(普通のダイアログ)をするときは、基本的に相手の語調と語尾や真似っこして、相手に返すのですが、機能的なアプローチでは、それをしない。
・岸本(チャット)の個人的キーワードは「病気」「ウイルス」「お見舞金」「人間」「犬」「え?」「死」「犬死」「新規感染症」「首・脇の下・鼠蹊部」「死亡」「死体」「棒とダンボール」「飼い犬」「野良犬」「かみさま」「神の声」「神の祝福」「ペスト」「犬のペスト」「待って」「わざわい」「殺処分」「今」「ファラオファウンド」「撃ち殺される」「防ぐ」「犬の物語」「人間の物語」「字」「書く」「書き続ける」
・「人間の物語」って発語するときに、強烈に図書館が思い浮かぶ。
・岸本の場合、発語の状態をセットして、あとはドライブする方が状況に合わせられる。
舞台にいる人の状態も毎回変わる。自分の状態も毎回変わる。外の天気も毎回変わる。見ている人の状態も毎回変わる。テキストを読むたびに見つかることがある。読んで音声化している最中にも見つかりまくりである。つまり、際立たせるワードが毎日・毎回変わる。決められたルールの中で、毎回同じことをしないことによって、強制的に場所を稼働させる(常にアクシデントを起こし続ける)。上演は「有事」。いまはこの上演を稼働させる状態が全部分かりきっているわけではないので、とりあえずサンプルをたくさんとりたいと思った。
・「ここの本棚」「そこの本棚」ではなくて、「本棚」。
指示語を抜かすことで、世界中すべての「本棚」になる。
・チャットのセリフ「(叫んで)あああああ」とか、スリルのセリフ「アイタタタタ」は、地の文で使っている機能的アプローチが通用しないので、あたらしいルールを作らないといけなさそう。現状は「意味を無視して音量を上げる」で無理やり処理してるが、もうちょっと方法がありそう。模索中。
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