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くるみざわしん

黒い犬サマーキャンプ報告

私は講座の先日に以下のような課題を出して、翌日の午前中に参加者の皆さんにプレゼンテーションをしていただき、議論しました。

目的は、「犬のペスト」の上演のために考え出して「犬の世界」の設定がどんなものであるのか、どんな可能性があるのかを明確にすることでした。そのために「犬の世界」に具体例を持ち込み、どのようなお芝居が成り立つのかを皆で考えました。

【課題】

先月起きた安倍さんの襲撃事件を、犬の世界に持ち込んでお芝居を作るとしたらどんな設定(時代・場所)、登場人物4~6人(登場犬4~6匹)にしますか。お芝居のなかで起こる出来事も2~3つぐらい考えてみてください。

【結果】

参加者の皆さんからはそれぞれユニークなアプローチが提出されました。皆さんのアイディアを聞いて、私には以下のような考えが明確になりました。

犬は人間によって狼から作られた生物であり、そもそもの野生を失っている。しかし人間にはなれない。犬は狼と人間のあいだで右往左往するしかない、不安定な生き物。その不安定があるがゆえに、内部から犬独特の考え、行動がうまれる。その不安定につけこむようにして人間や野生から利用されてしまう。カルトが生まれる余地や、忍び込む隙もある。「犬のペスト」で作り上げた「犬の世界」とはそういう世界である。この、犬の世界の構造に、国家・宗教・戦争・暴力などの具体的な事件を持ち込んで、その真相を犬の世界ならではアプローチで描くことが可能であろう。課題としては、「犬の世界」で犬がどんな暮らしをしているのか、そのディティールを明確にしないといけないが、これが難しい。貨幣はあるのか。選挙があるのかなど。これらの設定が納得できるものでないと「犬の世界」が不明確になってしまう。

 

今回の収穫を、次作の構想・執筆に役立てようと思う。

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