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澤田誠

私の企画会議議事録

みんながやりたいかどうかはわからないしかし!私は考えたい。あんな作品こんな作品

黒い犬はマルチクリエイター集団である。俳優、劇作、演出、制作、映像、チラシ/webデザイン、舞台美術、大道具、音響、照明、舞台監督…この8人がいれば「演劇を作る上で出来ないこと」は無いと言っても過言ではない。(イマやりたいかどうかは別ね)

ところで。誕生した理由に「コロナ禍での演劇創作/上演の探求」があるために、どうしても外してはいけない枠がある。感染症と、社会/業界/世間/生活の距離、それぞれの価値観のズレと作品性とか。
(なんとなーく、)畏まった作品作りをしなくてはいけない、のでは?という思考、とか。そこら辺の調整/理解/納得に時間が必要になる。

しかし!こんなバラエティに富んだメンバーなのに堅苦しい芝居だけでは…もったいない(言い方!)

そこで。あえてレーゾンデートルを忘れて、とりあえず面白そうな企画を提案し、サマーキャンプ中になんとか一つ形にしてみようと思いました。(折角なのでキャンプ前に出した案も記載しておきます)


企画案1『犬のペスト』上演フェイクドキュメンタリー
 

サカイが創作ドキュメンタリーを記録/発表したいと提案していたので「発表当日に誰かが参加出来なくなった」というインタールード(幕間喜劇)を上演する。

企画案2『犬のペスト』PV作成

 

昨年の記録映像を3〜4分に纏めた音声を使用し、その「台詞」に合わせた振付を撮影する。振付師はいた方が各々の身体性を活かせると思う。振付師を誰にするかが課題。

企画案3「研究発表会」を「展示」する

 

·メンバーが提案したやりたいことを「全て演る展示」にする表現空間を設営し、常時開放する展示形式での[演劇]を試みる。
 

[試み案]
·チラシは展示会か単館映画寄りのデザインとし、劇場ではない場所にだけ置く。
·会場は演劇を観に行く劇場、所謂「閉じた(閉じる必要性が強い)場所」ではなく、外からも見えるような空間にする。
·澤田は映像/美術/デザイン等は展示出来ないので、常に在廊し「見える楽屋にいる俳優」という自分を展示する。

企画案4『犬のペスト』をラジオドラマとして収録する。
 

抜粋した台詞を集めた詩集のようなリーフレットを作成し、事前告知のもと、街のどこかで販売する。→「チャットが残した犬の物語」が犬づてで後世に残ったものをイメージ。


 

 

キャンプで提案したのは企画案4でした。

 

皆からの意見や指摘を受け、一寸質問したり、他のワーク中の発言や立ち振舞、仕草を見たりして最終的に「澤田の考えた配役で『犬のペスト』リーディングしてみた(抜粋)」という動画を撮りました。

これは私が戯曲『犬のペスト』に感じている『カウボーイビバップ』『ザ・ビッグオー』『私立探偵 濱マイク』のような、SF感やコミカルさとハードボイルドさ。


例えば―宿のバーカウンターで、犬たちがウヰスキーと紅茶と紫煙を嗜んでいる―そんな雰囲気。また、改めて『犬のペスト』を読み返した時に「…変り者が集まったとト書きに書いてあったが、昨年のリーディングは仲が良かったな。もっと各々のこだわりとか対立とか邂逅する瞬間とかあった方が登場犬たちの生き様が光るんじゃないか?そして、この我の強さは黒い犬のメンバーにも通ずるところがあるンじゃないか…?」と感じたこと。


これらをサマーキャンプ中に一つの形にするのならば「オーソドックスなリーディングスタイル」が良いと考えたからです。(私は簡単な演出をするため、読みません。)

抜粋箇所と配役がこちら。


テキスト1 (PDFを開く)

マスター:若旦那 スリル:坂口

テキスト2 (PDFを開く)

スリル:坂口 つち:岸本

テキスト3 (PDFを開く

つち:岸本 チャット:赤星

テキスト4 (PDFを開く)

テン:坂口 マスター:若旦那

※テンは笠井に読んでもらおうと思ってましたが、収録日お休みになったので、別案で考えていた坂口に読んでもらいました。

テキストはタブレットで読んでもらい、手はフリーで。スイッチが入りキャラクターになるタイプ、シームレスに変化するタイプ、それぞれのON/OFFや俳優としての姿勢や魅力が垣間見える動画になったと思います。

 

 
 
 
 
振り返り


企画案を考えるのは楽しい。しかし、ただの「妄想」止まりだと、賛同を得られず形に出来ない。自分の思う「面白い」を具体的に煮詰めて「それならやってみても良いかも」と思わせる企画(書)に仕上げなくてはいけない…言葉にすると「当たり前じゃあないかっ!」と思うが、これが出来ない、出来てなかった。皆からの忌憚なき意見をもらえてありがたかった。

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